情念よりも病気の方が我慢しやすい。
病気のことは理解できるから、そこから逃れられる。
しかし情念については、仕組みを理解できていないし、自分の力ではどうすることもできないと思っているから、逃れられない。
恐怖に負け、同じ愚痴を繰り返すとき、自分はダメな人間だと思い込む。
デカルトは「情念は所詮われわれの思惟の一様態にすぎないものだが、身体の中で行われているふしぎな流体の運動によって起こるものだ」と論じた。
身体のなかで行われている血液や不思議な流体の運動が「原因」であり、恐怖や情念などは「結果」である。
なので、恐怖に負けようが愚痴を言おうが、自分がダメなのではなく、自分の胃が勝手にやっていることだと思えば良いのだ。